病院・クリニックの採用サイト5選!エントリーが増えるサイトのポイントを考察

急速に進む高齢化により、社会保障費の増大と診療報酬の減少が病院やクリニックの収益を圧迫しています。さらに、慢性的な人手不足も深刻な課題です。

これらの課題に対して、病院・クリニックの採用サイトは重要な役割を果たし、求職者に対して施設の魅力を伝えることが必要です。

この記事では、病院・クリニックの景気動向や人口推移、エントリーが増える採用サイトのポイントを詳しく解説します。ぜひご参考ください。

目次

病院・クリニックの景気動向とは

病院やクリニックが直面している最も顕著な変化の一つは、急速に進む高齢化です。

高齢化に伴う社会保障費の増大や医療制度改革の影響で、診療報酬が減少し続けており、これが病院やクリニックの収益を圧迫し、経営に大きな影響を与えています。

人手不足による診療報酬の低下

さらに、病院やクリニックでは慢性的な人手不足が続いており、医師、看護師、その他の有資格者の確保が重要な課題となっています。

特に看護師の「7対1看護配置」制度では、1名の看護師に対して患者が7名配置されている場合、高い診療報酬が受けられると定められています。逆に、看護師1名に対する患者数が多くなるほど診療報酬は低くなるため、看護師の確保は病院やクリニックの収益性を維持する上で重要です。

クリニック業界の今後について

現在、クリニックは年間約6,400件が廃止され、約7,300件が新たに設立されています。これは業界全体で廃止新設が活発であることを示しています。

クリニックの約8割が減収傾向にあり、特に耳鼻科や小児科でその傾向が顕著です。

また、新規開業の競争激化や後継者問題など、多くの課題に直面しています。長期的には受診ニーズが減少する見込みがあり、オンライン診療などの新しい取り組みによる差別化が求められるでしょう。

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病院・クリニックで働いている人口推移

(出典)厚生労働省「厚生労働白書」

令和4年度に提出された厚生労働白書によると、過去20年間で、医療・福祉分野の就業者数は410万人増加し、現在では約8人に1人がこの分野で働いていることが分かります。

この分野の就業者は、保健、医療、社会福祉など、国民生活の基礎を支える広範な領域にわたっています。専門的な知識や技術を持ち、公的資格を取得して医療機関や社会福祉施設でサービスを提供する人々や、保健所や福祉事務所などの行政機関で働く保健や福祉の担当者など、多岐にわたる職種の人々によって支えられています。

2021年のデータでは、医療・福祉分野の就業者数は891万人に達しています。

2002年以降、就業者数は一貫して増加しており、2021年には2002年の約1.9倍となっています。全産業に占める医療・福祉分野の就業者の割合も、2002年の7.5%(約13人に1人)から2021年には13.3%(約8人に1人)にまで上昇しています。

将来の人口減少と就業者数の見通し

(出典)厚生労働省「厚生労働白書」

日本の人口は今後も減少し続けると予測されており、特に現役世代の減少が懸念されています。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によると、2040年には20~64歳の人口が5,543万人となり、全人口の50%を占めるまでに減少すると見込まれています。これは2020年と比較して約1,400万人の減少を意味します。

また、2021年4月1日から、定年年齢を65歳以上70歳未満に設定する事業主や、70歳までの継続雇用制度を導入している事業主は、70歳までの就業機会を確保することが求められています。

2040年には、20~69歳の人口は6,450万人(全人口の58%)になると予測されています。

将来の就業者数不足

(出典)厚生労働省「厚生労働白書」

厚生労働省の「雇用政策研究会報告書」によれば、経済成長と労働参加が進むと仮定した場合、2040年には総就業者数が6,024万人に達すると推計されています。

これは、2021年の6,713万人から減少するものの、人口減少を考慮すると減少幅は抑えられていると言えます。

2040年の医療・福祉分野の就業者数は974万人(総就業者数の16%)と予測されています。しかし、医療・介護サービスの需要に基づく推計では、2040年には1,070万人(総就業者数の18~20%)が必要とされ、96万人の不足が見込まれています。

このギャップを埋めるためには、高齢者がその能力を発揮できる環境を整備し、就業機会を増やすことが重要となります。

→厚生労働白書

開業医が抱える採用の悩みと課題

PR TIMESが、全国の開業医351人を対象に「悩み」、そして「スタッフマネジメントでの課題」についてアンケート調査を実施しました。

調査結果の概要

調査の結果、開業医が抱える最も大きな悩みは「スタッフ採用」で、67.5%がこの問題に苦慮していることが明らかになりました。

これは3分の2以上の開業医がスタッフ採用に課題を感じていることを示しています。

次に多かった悩みは「スタッフマネジメント」で44.7%、5番目には「スタッフとのコミュニケーション」が30.8%と、クリニック内の人材に関する問題が大きな比重を占めていることがわかりました。

クリニックの規模別分析

「スタッフとのコミュニケーション」および「スタッフマネジメント」に関する悩みについて、クリニックの規模別に分析した結果、従業員数が多いほどこれらの問題に悩む割合が高いことが確認されました。

これは、一般企業と同様に、従業員数が増えるほどコミュニケーションやマネジメントが難しくなることを示しています。

スタッフマネジメントの具体的な課題

開業医がスタッフマネジメントにおいて実践できていないと感じている具体的な課題として、「不満を吸い上げること」が35.3%でトップとなりました。

この結果から、スタッフの不満や意見を適切に収集し対応することが、クリニックの運営において重要な課題であることが浮き彫りになりました。

→PRTIMES開業医が最も悩んでいるのは「スタッフの採用」

病院・クリニック業界の参考にしたい採用サイト5選

社会医療法人宏潤会

社会医療法人宏潤会は、職種ごとにスタッフの声を載せており、それぞれの職種ごとに働く人の声を見ることができます。

また、教育研修や福利厚生についても詳しく書かれているため求職者の欲しい情報が深く掲載されています。

→宏潤会 総合採用サイト (daidohp.or.jp)

シミズ病院グループ

シミズ病院グループは、数字でグループ情報を見ることができ、スタッフの年齢層や男女比、それぞれの職種スタッフの占める割合などが分かりやすく記載されています。

また、勤続年数の高さや育児休暇取得率100%など、求職者が安心して働けるイメージがわきやすくなっています。

→シミズ病院グループ (shimizu-hospital.or.jp)

上星川ファミリークリニック

上星川ファミリークリニックは、ポップな雰囲気でスタッフ同士の仲の良さが伝わる採用サイトになっています。

クリニックの魅力を端的に分かりやすく伝えているため、求職者にとってもどんなクリニックなのかが分かりやすくなっています。

→上星川ファミリークリニック採用サイト

ふくろうクリニック

ふくろうクリニックは、クリニックの歴史や院長のあいさつなどが丁寧に記載されています。

スタッフへのインタビューも詳しく書かれているため実際に働いた後の様子をイメージしやすくなっています。

→ふくろうクリニック等々力採用サイト

福岡和白病院

福岡和白病院は、動きのあるファーストビューが印象的です。

病院の状況を細かく数字で見ることができ、職種ごとのお仕事紹介ページがとても作りこまれています。

→福岡和白病院 採用サイト|社会医療法人財団 池友会

病院・クリニックの採用サイトに入れるべきコンテンツとポイント

病院・クリニックの採用サイトを作成する際に入れるべきコンテンツとポイントを紹介します。

1. 病院の概要紹介

病院・クリニックの概要は必要な情報です。例えば、病院やクリニックの歴史やこれからのビジョン、提供する医療サービスの紹介などがあると良いでしょう。

施設の特色や専門分野、最新の医療機器や技術の紹介もあると病院内のイメージが湧きやすくなるのではないでしょうか。

2. 募集職種と仕事内容

病院は、様々な職種のスタッフが働く場所なので、現在募集中の職種とその詳細な説明(医師、看護師、薬剤師、技師、事務職など)を分かりやすく載せておくと求職者にとって見やすい採用サイトになります。

また、各職種の具体的な業務内容、シフトや勤務時間、必要な資格や経験を記載すると良いでしょう。

3. 応募条件と福利厚生

専門資格が必要な職種もあるため、必要な資格、経験、スキルなどを明確に記載します。

給与以外にもボーナス、保険、休暇制度、交通費支給、住宅手当、退職金制度、医療費補助などの福利厚生情報を詳細に説明するとエントリーの増える採用サイトになるでしょう。

4. 教育・研修制度

新入社員向けの研修プログラム、継続教育、専門資格取得支援、キャリアアップ研修などを記載しておくことで、新しい環境に飛び込む際の不安が軽減されます。

特に医療現場のような専門知識や技術が求められる職場では、研修制度の有無が大きな安心材料となります。

5. 現場の声とインタビュー

新入社員向けの研修プログラム、継続教育、専門資格取得支援、キャリアアップ研修などを記載しておくことで、新しい環境に飛び込む際の不安が軽減されます。

特に医療現場のような専門知識や技術が求められる職場では、研修制度の有無が大きな安心材料となります。

6. 職場環境と社内文化

職場環境や社内文化を詳しく紹介することで、企業の透明性や信頼性が向上します。求職者は、入社前に企業の実態を知ることで安心感を得ることができます。

オフィスレイアウト、設備、チーム構成、コミュニケーションスタイルなど、職場環境の詳細がわかることで、具体的な働き方や職場の運営スタイルを理解できます。

また、職場環境や社内文化を事前に知っていることで、入社後の適応がスムーズになります。新しい環境に慣れるための時間やストレスを減らすことができ、離職率の停会にもつながります。

これらのコンテンツを充実させることで、応募者にとって魅力的で情報豊富な採用サイトを作成することができます。

また、求職者が病院やクリニックに対して良い印象を持ち、安心して応募できるサイトにすることが大切です。

病院・クリニックのエントリーが増える採用サイトまとめ

この記事では、病院・クリニックの採用サイトを充実させるためのポイントをまとめました。

採用サイトは単なる情報提供の場にとどまらず、求職者に対して安心感を与え、応募意欲を高める重要な役割を持っています。施設の魅力や職場環境、教育研修制度、現場の声をしっかりと伝えることで、求職者にとって理想的な職場イメージを持ってもらうことができます。

特に医療の現場では、信頼性と透明性が求められるため、細部まで丁寧に情報を提供することが大切です。これらのポイントを押さえた採用サイトを構築することで、より多くの優秀な人材を引き寄せ、採用活動を成功に導くことができるでしょう。

皆さんの採用サイトが多くのエントリーを獲得し、素晴らしい医療スタッフとの出会いにつながることを願っております。

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